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この記事ではFAINAL FANTASYⅦ REMAKE及び関連作品のネタバレを含みます。FFⅦ作品全てにおいて未プレイの方はご注意願います。
FINAL FANTASYⅦにはエアリス・ゲインズブールとティファ・ロックハートという2人のヒロインが登場することで有名ですよね。
この記事では、エアリスとティファ、Wヒロインに焦点を当てて書いていきたいと思います。
原作におけるヒロインの位置づけは平等で、恋愛要素は薄い
Wヒロインが話題になると、よく出てくる論争があなたはエアリス派?ティファ派?2人も女の子がいるなんてクラウドはどちらとくっ付くの?という話になりますね。
先にお伝えしたいんですがこれ、原作だと
どちらでも、プレイヤーのお好きな方とご自由に
なんです。
好感度システムが搭載されていたので、エアリスでもティファでも好きな方に好かれるような選択肢を選び、行動していればそちらとの好感度が高まり、仲良くなれたのです。
バトルメンバーも今ほど固定されていないのでエアリス完全離脱前なら常に好きな方を連れて行けました。
なぜこんなに自由なのかと言うと、
オリジナル版のFF7は恋愛メインのストーリーではないからです。
FF7のテーマは「星」。クラウドとその仲間たちが星の命を脅かす厄災に立ち向かい、その命を救う壮大なストーリーです。
そしてその旅を通じてクラウドが「本当の自分」を探し出す物語でもあります。
ミッドガルで運命的な出会いを果たすセトラの生き残りエアリス。
クラウドがソルジャーを目指すきっかけにもなった同郷の幼馴染ティファ。
どちらも物語には欠かせない存在ですが、どちらに心が揺れるのかはプレイヤー次第。
ストーリーの根幹は変わらないけど、どちらでも好きな方の女性をクラウド(プレイヤー)は自由に選択肢で選んで下さいね、どちらとどういう関係になるのかはプレイヤーごとに違う解釈があってOKです、ご想像にお任せしますから―――というのがオリジナル版FF7の魅力の一つでもありました。
それくらい原作ではプレイヤーに選択権を与えられていたんですね。
この好感度システムが実によくできていて、エアリスを選んだプレイヤーにはエアリス死後も最後までクラウドはエアリスを想っているような解釈ができるし、
逆にティファを選んだプレイヤーはクラウドは最初から最後までティファ一筋で最終決戦前は「君たち一線超えたな?」と解釈できるようにもなっているのです。
要するにシナリオ上クラウドはこっちとくっ付きますんで、とゲーム内で決定するのではなく、プレイヤーの好みや受け取り方に判断を委ねていた―――というのが原作でのWヒロインの描かれ方でした。
どちらがメインなのか、といえば前半がエアリスで後半がティファ、といった感覚でしょうか。
しかしやはり好感度システムがあるので一概には言えません。
FF7はFF8のように「愛」がテーマではないので、結局プレイヤーの好きな方を選んでおけばいいのです。
派生作品で認識が変わり始めた
しかし、オリジナル発売後に発表された派生作品でこの「プレイヤーの好みに任せる」システムは薄れていったように感じます。
2005年にアドベントチルドレン(AC)、2007年にクライシスコア(CC)が発売されたことにより、後付けで
クラウドとティファ
ザックスとエアリス
という認識を植え付けられているような。
前述の通り、プレイヤーの心に委ねて妄想を掻き立てるシステムが魅力だったはずなのですが…。
だから派生作品から入っている若い層の人たちから見れば上記の組み合わせが公式から発表されているもの、と思わざるを得ないんですね。
CCでザックスの恋人はエアリスに決定した?
特にCCでその認識は強まったのではないでしょうか。
CCは本編FF7よりも過去の出来事を描いた派生作品で、本編ではほんの少しだけ登場しつつも実はかなりの重要人物であるザックスが主人公の作品です。
このザックスはクラウドの親友であり、そしてなんとエアリスの初恋のお相手です。
本編の方では、ザックスとエアリスの関係はあくまで「エアリスの初恋」。
クラウドに付き合ってたのか?と問われるシーンがありますが、それについては「気になった人」と言っていたので付き合ってはいなかったようです。
ところがCCにおけるザックスとエアリスは、もう完全に彼氏と彼女のような、非常に仲良しに描かれています。
もちろんそこに嫌味など何もなく、単純に2人の幸せを願ってあげたくなるような、これからもずっと一緒に居させてあげたいような、そんな爽やかな2人をとにかく応援してあげたくなるのです。
ザックスはエアリスと再会できないまま亡くなりますから、結ばれない2人の儚い幸せにプレイしながら号泣したのを覚えていますね。
ザックスとエアリスの関係性については別記事で詳しくまとめています。
なのでこれ、CCからFF7に入るか本編から入るかでは大きく印象が変わるところだと思います。
本編から入れば淡い初恋程度の仲、CCから入ればほぼ付き合ってる彼氏彼女なので
CC勢からすれば「エアリスがクラウド好きなんてありえないでしょ?ザックスがいるでしょ?あんなに手紙も書いてめちゃくちゃラブラブだったでしょ!」って思ってしまうところですよね。
いやいや、FF7に決められた組み合わせなんてないんだけどな?好きな方を自分で選べばいんだぞって老婆心から言いたくなるんですけど、この認識はリメイクでさらに加速させられそうな予感がするので次項でも詳しく書いていきたいと思います。
リメイクではティファとの恋愛要素が強めか
結論から言うと、リメイクのクラウドはティファのことめちゃくちゃ好きなんでしょうねって感じがひしひしと伝わります。
オリジナルはテキストでセリフを読むだけでしたが、リメイクでは表情も豊かになりフルボイスなので当時よりも遥かにキャラクターの気持ちがプレイヤー側にダイレクトに届くようになりました。
何度も言いますが、プレイヤーに判断を委ねるシステムがFF7の魅力だったのですが…。
具体的にどんなところにクラウドのティファ愛ダダ漏れを感じるのかというと、
- とりあえずめちゃくちゃ「ティファ!」って叫ぶ
- ティファに作ってもらったカクテル越しに「綺麗だ」って言う(え、ティファを?カクテルを?)
- 身を挺してティファを助けるシーン多数(顔面は超至近距離)
- 泣いているティファを抱きしめる
- ティファにエアリスの花をプレゼント(マリンにあげる選択肢はカットされる)
- ティファがピンチの時は会話そっちのけでティファの元にダッシュする
という辺りでしょうか…。
本当に、リメイククラウドはびっくりするくらい「ティファ!」って叫びます(笑)お前何回ティファって言うん?ってツッコみたくなるくらい叫びます。
そしてクラウド、ティファのこといたる所で助けまくります。
列車から飛び降りるシーンではオリジナルだとティファが一番最初に颯爽と外に飛び降りたものですが、リメイクだとバレットがさっさと飛び降りクラウドがティファを抱きかかえて飛び降ります。
飛び降りた後はお互いの顔面が超至近距離っていう具合ですね。
私は……今、何を見せられている?
とにかくリメイクではクラウドがティファを助けるカットが多い。やたらと多いんです。
こと列車から飛び降りるシーンはやり過ぎ感は否めないにしても、生身で薄着の女の子単独で飛び降りさせるのは普通に危険なので手を差し伸べたくなるクラウドの気持ちも分かりますが、
それ以外にも敵の攻撃を受けそうになるティファを助けに入るシーンが本当に多いんですね。
いや、言ってもティファって女格闘家だからそこら辺の一般女子とは明らかに違う訳ですよ。
どちらかというと助けが必要なのは魔導士タイプのエアリスの方です。
クラウド自身も「ティファはその辺の男よりもずっと強い」と分かっています。なのについつい、助けてしまう……「クラウドはティファのヒーローなんだ!」とプレイヤー側に認識してもらいたいような開発側の圧を感じるところでもあります。
子供の頃に2人は「ティファがピンチの時は助けにくる」という約束をしていますし、オリジナルでもティファはクラウドに守ってもらいたいタイプの女の子でしたからね。
それに加えリメイクではティファの住むアパートの横の部屋に寝泊まりする設定だし、そこのアパートの大家さんに「ティファのこと泣かせたら承知しないよ!」とか言われるし、しばらく2人きりでお遣いクエストをこなすしで
間違いなく初見の人が見ればクラウドはティファ一択です。
子供の頃から幼馴染を想い続ける一途なクラウド・ストライフ爆誕です。
実際、原作で2人はどのような関係だったのかはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
クラウドとエアリスの関係は?
リメイクではエアリスが冷遇されているという感想を時々見かけますが、個人的にはそこまで冷遇されているとは思いませんでした。
しかし序盤であれだけティファとのイチャイチャを見せつけられるのでどうしてもエアリスには「ぽっと出の女感」が否めないし、クラウドにしてもティファには優しく声掛けするのに対しエアリスには序盤割と塩対応だったりします。
エアリスとの出会いを思い出した時は「変わった女だったな」と呟くし、出会ったその瞬間はエアリスのことを美人局扱いもしています。
でも「クラウド冷たい!」というよりは出会いたてホヤホヤの他人にいきなり心を開く人は少ないはずですのでクラウドじゃなくても誰だってそうするわ、とも言えますよね。
しかし行動を共にするうちに少しずつ2人の距離が縮まっていると感じる場面もいくつかありました。
オリジナル版では最初からエアリスには優しく接している感じでしたが、リメイクでは序盤を塩対応にしていたこともあってクラウドがエアリスに心を開いていくまでの過程が実に丁寧に描かれているのを感じます。
- 公園で別れる時に寂しそうな顔をする
- エアリスとハイタッチするようになる
- エアリスがドレスに着替えた時に見惚れる
などでしょうか。
エアリスと出会ってから、「あんたには少しお姉さんでグイグイ引っ張って行ってくれる、そんな子がぴったり」とかつて母親に言われたことをエアリスの家で思い出した辺りクラウドも意識はしているのかもしれません。
始めはエアリスの行動や言動にため息交じりで「変わった女」と思っていたクラウドでしたが徐々に心を開きつつあり、みどり公園でお別れの瞬間が近づいてきた時にはもう少し一緒に居たいとお互い思っている雰囲気がこちらに伝わってきます。
が、このいい雰囲気の中ゲートが開き、チョコボ車でただならぬ雰囲気のティファが2人の前を通り過ぎます。
その瞬間「ティファ!」と叫び猛スピードでエアリスから離れティファの元へ行ってしまうクラウド…
えーーー!今の今まで別れるのが寂しい雰囲気出しといてティファが来たらそっち行くんかい!!と今までの心を通わせていたシーンは何だったの?結局ティファルート一択なのか、と思わざるを得ない描写になってしまいました。
いやいや、幼馴染が危険な目にあうかもしれないと知り居ても立っても居られなくなったのは分かるけどクラウドちょっと落ち着けよ!とツッコみたくなってしまいます。
序盤のエアリスはクラウド好き!というよりも単純に仲良しになりたい、という雰囲気なので作戦が成功すると気軽にハイタッチを求めてきます。
でも気恥ずかしいのか上手く噛み合わずハイタッチ出来ないクラウド。
そんなクラウドですがウォールマーケットの地下闘技場でエアリスと共に出場し優勝した頃には自然とエアリスとハイタッチするまでに心を通わせるようになりました。
また、エアリスが最上級のドレスに着替えた時は思わず見惚れてしまうシーンがあります。
あ、クラウドもエアリスを女性として意識したんだなと思う描写でしたね。
しかしこんな風に距離を縮めていく2人を見ていても、脳裏によぎるのは前半のクラウドとティファの描写。
どんなにクラウドとエアリスが仲良くなっていても、「でも序盤、あんなにクラウドはティファティファ言ってたしなあ…ここでエアリスに心変わりするかなあ…?」とどうしてもティファ一択感を拭うことができないのです。
エアリスの最上級ドレスもお遣いクエストを頑張らなければ見ることはできないですし。
クエストをクリアしていなければ冴えない演出止まりですから。
オリジナルでは魔晄炉爆破ミッションが終わればティファの前からもさっさといなくなりそうなクラウドでしたが、リメイクでは全くそんな様子も感じられません。
やはりリメイクでは、「ユーザーの好みに判断を委ねる自由さ」というのがオリジナルよりも減っているように感じますね。
エアリスとティファ、性格が変わった?
エアリスもティファもオリジナルより性格がマイルドになったというか、ざっくりいうと「良い人」になったと思います。
ヒロインの性格が良いに越したことはないのでリメイク版の2人の性格は個人的に嫌いじゃないですが、ネットでは特にティファの性格がオリジナル版と違う!と言われることが多いんですね。
時代の流れと共に受け入れられるヒロイン像も変わっていくでしょうし、そういう改変がされるのは普通のことだとは思いますが、具体的にどの辺が変わったのかと言うと。
まずリメイクのティファは「欠点のないヒロイン」として描かれています。
誰からも好かれる皆の人気者で、料理上手で人に優しく困っている人を放っておけない面倒見の良い強くて顔もスタイルも抜群の最強ヒロインです。
クラウドを自分のピンチに駆けつけてくれるヒーローだと思いつつも、ただ助けられるだけではなくクラウドのピンチには駆けつけ共に戦い、支える心の強さも兼ね備えています。
「だらしないぞ、ヒーローなのに」と言ってクラウドのピンチに現れたティファに心を撃ち抜かれた人も多いはず。
こんな女の子がこの世に存在していたら間違いなく一発で好きになるレベルでしょう。
一方オリジナル版のティファは、「現実に存在していそうなリアリティのある20歳の女性」らしい性格をしていたと感じます。
リメイクほど完璧な女性ではないけど、人間味があるところに好感を持てました。
例えばオリジナル版のティファはエアリスに嫉妬をするし、不安がるナナキに強い言葉をかけてしまったり、クラウドにも精神的に依存しているような感じでしたね。
優しい子であることはリメイクもオリジナルも一緒だと思います。
でもこれらは決して悪いことではありません。エアリスに嫉妬するのも、気になる男性が他の女の子と仲良くしていれば気に食わないのは至極普通のことです。
自分もいつかおかしくなってしまうのでは?と怖がるナナキに「いい加減にして!しつこいわよ!」と強く言ってしまったのも、決して彼を鬱陶しく思って追い込みたかったのではないでしょう。
自分自身だって震えるほど怖くて不安で仕方なかった結果、心に余裕がなくなりつい出てしまった言葉なのだと。
20歳って社会的には大人の扱いを受けますが、精神的にはまだまだ幼い部分のある完全な大人になり切れない年齢だと思います。
誰かの支えが欲しいし、誰かに頼って生きていきたいと思っていても不思議ではありません。
ティファは幼い頃に両親を亡くし、故郷を失い、孤独の身です。
そんな時に自分を知っている同郷の幼馴染クラウドが現れれば精神的に依存してしまうのも頷けますよね。
こういうリアルな等身大の20歳の女性らしさがティファの魅力の一つだと思っています。
逆にエアリスの性格はセトラの生き残りとして過酷な運命を背負っているにも関わらず、前向きで明るく精神的にも強く描かれています。
そこに惹かれる人も多いですし私自身エアリスの性格が大好きなんですが、現実的に考えればこんなに達観した20代前半がいるか?と疑問に思うところなんですね。
あくまでゲームキャラだからこそ成り立つ性格です。
好きな男の子にはグイグイ行っちゃう天真爛漫な子でもありますが、背負っている運命や幼少時代の経験からみても到底リアリティのある性格とは言えません。
このようにティファは現実味のある性格、エアリスはゲームキャラっぽい性格をしていた訳ですが、
リメイクではティファも良く言えば「性格が良くなった」ですが悪く言えば「完璧過ぎて隙が無くなり、ゲームキャラ化した」となってしまい、残念ながらティファの人間味のある個性がリメイクでは失われてしまったのではないか?と思います。
より良い子にはなったけど、没個性になってしまったのは残念ですね。
最後に
かなり長文になってしまいましたが最後に。
この記事を書くにあたってオリジナル版を再プレイしてみたのですが、やはりプレイヤーによって捉え方が変わるところがFF7の面白さだと感じました。
原作が発売されてかなり時が経過してFF7には派生作品やアルティマニアなどの書籍が発売されています。
これらにはティファがクラウドの恋人だと製作者が発言していたり、
逆にエアリスが恋人であったと小説に書かれていたり結局どっちがどうなの?
と戸惑うようなことが書かれています。かと思えば派生作品でクラウドにはティファ!エアリスにはザックスでしょ!リメイクでもその方向で行きますよ的な雰囲気を出してきたり…
正直な話、何度も述べた通り恋愛がテーマではないので公式があれこれ発言しないでファンの間で妄想を楽しませてよ!と思うのが個人的な意見です。
長くなりましたが最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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