アルバイトを探している時、コールセンターのお仕事が目に留まったことはありませんか?
高時給かつ綺麗なオフィスで働けて、服装・髪色は自由!みたいな文言が求人に書かれていることも多く、興味を持たれた方も多いと思います。しかし、
- 実際はどんな仕事内容なの?
- ストレスは溜まるの?
- いつも求人が出ているけどもしかしてブラック?
と、気になることは山ほどあるはず!
そこでこの記事では、コールセンターのアルバイト経験者である管理人がコールセンターの実情(?)を徹底解説します!
アルバイトを希望している方の参考になれば幸いです。
コールセンターの仕事とは?
コールセンターの仕事は、その名前の通り電話を通してお客様とやり取りをするお仕事です。業務内容は多岐に渡りますが大きく2つに分けることができます。
- お客様からかかってくる電話に対応する業務【インバウンド】
- 商品やサービスを売り込む為にこちらから電話をかける業務【アウトバウンド】
です。次の項目でそれぞれ一つずつ見ていきましょう。
【インバウンド】(受信業務)
コールセンターの求人ではインバウンドが約8割を占めると言われています。
インバウンドは主に
- テレフォンオペレーター(テレオペ)
- カスタマーサポート
- テクニカルサポート
の3つに分かれていてそれぞれ業務が異なります。
テレフォンオペレーター
お客様からかかってきた電話を受信して商品やサービスについてのお問い合わせに対応したり、注文やサービスの加入を受け付けたりします。
よくテレビの通販番組などで「今から○分オペレーターを増やしてお待ちしています!」なんていうあれはまさにテレオペの仕事の代表例と言えるでしょう。
カスタマーサポート
主に企業のお客様対応窓口。その企業が提供する商品やサービスについての客様からのお問い合わせに対応します(こちらもテレオペと呼ばれる場合があります)。
お客様が問い合わせをしてくる内容は様々。クレーム対応をすることもあります。
テクニカルサポート
パソコンやスマートフォンなどの電子機器やインターネットの接続において不具合が生じた時に対応する窓口です。
専門の担当者に取り次ぐ場合もあれば不具合解消まで自ら担当することもあります。専門の知識を必要としますが、研修で学べるので安心して下さい。
【アウトバウンド】(発信業務)
アウトバウンドはお客様に積極的に電話をかけていき、商品を売り込みます。簡単に言うと『電話営業』ですね。
アウトバウンドも業務を分けると、
- テレフォンアポインター(テレアポ)
- テレマーケティング
の2つに分けることができます。
テレフォンアポインター
テレアポはお客様にこちらから電話をかけて商品やサービスを紹介する業務。企業に雇われ企業の為に新規顧客を積極的に開拓して訪問販売の機会を得る役割を担います。
テレマーケティング
新規開拓を行うテレアポに対し、こちらは既存のお客様に向けて市場調査を行う業務です
例えばパンフレットを取り寄せたお客様に商品やサービスへの満足度やニーズを聞き、購入を進めたり他の商品を提案したりなどの販売促進活動を行います。
ざっくりと業務を分けると以上のようになります。コールセンターの仕事と言っても、受信業務なのか発信業務なのかでは仕事内容が全然違います!求人に応募する場合はどちらなのかしっかり確認して下さいね!
コールセンターの仕事に向いている人は?
では実際に仕事をするにあたって、コールセンターに向いている人はどういった人たちなのでしょうか。インバウンドとアウトバウンドに分けてご説明します。
インバウンド向きの人はどんな人?
受信業務ではお客様の気持ちに寄り添いつつ、臨機応変に対応するスキルが求められます。お客様は何かに困っているからコールセンターに電話をかけてきているんですね(実はイタ電も多いですが)。
お客様は一体何にお困りなのか、どういう対応を求めているのかを素早く聞き出し、オペレーターは的確にお応えする必要があります。お客様は大事な時間を割いて電話をかけていますので、長々と解決策の見えない話を続けるのはNG!
また、お客様の問い合わせは多岐に渡り、決してマニュアル通りに進むわけではありません(というかほぼマニュアル外の電話が多いです)。
お客様からのあらゆる問い合わせに応えられるよう幅広く業務知識持ち、対応範囲を広げておくのも重要です。
基本的にはPCを操作しながらの対応。マニュアルもPCのデータベースにアクセスして確認することが多いので、PCスキルはある程度求められるでしょう。
- お客様の気持ちに寄り添える人
- マニュアル通りだけでなく臨機応変に対応できる人
- PCスキルが高い人(ブラインドタッチはできる方がいいです。)
アウトバウンド向きの人はどんな人?
発信業務は電話営業です。知らない番号から電話がかかってきて出てみるとセールスの電話だった時、あなたならどう思いますか?
「面倒な電話を取ってしまった、早く切りたい」なんてちょっとイライラしますよね。興味のないセールスだったらなおさらです。
お客様はそれと同じ思いで電話を受けているので、受信業務よりも電話先のお客様は冷ややかであると思っていて間違いないです。断られるだけでなく無言で切られたり、更には強い口調で拒否されたり……それを投げかけられても気にしない鉄のメンタルが必要です。
ただ、苦しいことばかりではなく発信業務の場合は目標件数を達成するとインセンティブ(報奨金)がもらえます!覚えることも受信よりはずっと少ないので、営業トークに長けていてサクッと稼ぎたいなら発信業務がおすすめでしょう。
- 何を言われても気持ちを切り替えられる人
- マニュアルをきっちり覚えたくない人
- 営業経験がある人
- 短時間でサクッと稼ぎたい人
コールセンターの仕事の収入
続きまして気になるコールセンターの時給!時給は他のお仕事と比べて比較的高めに設定されており、ほとんどが1,000円以上です。ざっくり調べてみると(2020年1月現在)
東京→平均1,500円~1,800円程(2,000円超えの求人もありました)
大阪→平均1,000円~1,500円前後
時給が低いことで有名な北海道でも
札幌→平均1,000円超え!!
この高時給はかなり魅力的ですよね。短時間だけのアルバイトでも相当稼げます。
ちなみにインバウンド・アウトバウンドで比べるとアウトバウンドの方がやや時給が高い傾向にあります。インバウンドでも専門知識を必要とするテクニカルサポートは他のインバウンドと比べて高く設定されていることが多いです。
アウトバウンドの場合は時給+インセンティブが見込める場合を考えるとお給料は相当額です。10代という若さでアウトバウンドでがっぽり稼いでいる猛者もいますよ。
正社員にはなれるのか
結論から言うと正社員の道はかなり厳しいです。
面接の際には正社員に昇格するチャンスがあることは伝えられますが、現状はほぼアルバイトで構成されている場合が多いです。
私がいたコールセンターでは正社員はフロアに数人いるかいないか。オペレーターは全員アルバイト、スーパーバイザー(以下SV リーダーみたいなものです)も契約社員でした。
しかし正社員ももともとはアルバイトで入社し、長く続けた結果正社員に昇格したので可能性は低いけれどゼロではないようです。
ただ、
時給が高いため上手くいけば他の会社の正社員よりも稼げる
時間の融通が正社員よりも利く
という理由で正社員で働いていた会社を辞めてコールセンターにアルバイトとして転職される方もいるくらい、コールセンターは正社員ではなくても他のお仕事よりも稼げる可能性があるということですね。
コールセンターの仕事をしているの人はどんな人が多い?
一緒に働く仲間はどんな人なのかってかなり重要ですよね!コールセンターはアルバイトの在籍数も多いのでその分シフトの融通が利きます。
電話業務メインなので服装髪型、アクセサリー全て自由なところも多いです(NGなところもあるのでそこは事前に調べて下さい)。ということで
- バンドマン、お笑い芸人、夜のお仕事をされている人など本業が別にある人
- 小さいお子さんがいる人
- 短時間で稼ぎたい大学生
- 短期間だけつなぎの仕事としてやっている人
などなど。時間の融通が利く!ということが最大のメリットらしく、本業が入り急にアルバイトにこれなくなった、子供が急に病気になったという理由でも休みやすいのでコールセンターを選んだという人が多かったですね。
もちろん私のように高給につられてなんとなく入った普通の人もいますし、基本的には普通の人が多いです。怖い人はいません多分(笑)
でもバンドマンは本当に多いです。今売れまくってるバンドメンバーがかつてやっていたアルバイトを語ると大抵コールセンターが入ってくるくらいバンドマンはたくさん在籍してます。
年齢層は幅広いです。10代~60代くらいのふり幅があるので自分の年齢を気にして躊躇する必要はないですし、興味があれば何件でも求人に応募してみて下さい。
私の練習の担当をしてくれた方はコールセンター未経験で入社したけど長年バリバリ働いている60代の男性でした。スキルが高く他のオペレーターからも一目置かれる存在でしたね。
コールセンターの仕事のメリット
ではコールセンターで働くメリットをまとめていきます。
【メリット1】時給が高い
これはコールセンターを選ぶ最初の理由になるメリットですよね。業務知識を幅広く取り入れなければならなかったり、目標を設定されていたりとアルバイトとしては難易度が高い分時給も高めになっています。
【メリット2】服装髪型は自由!
法律にふれていないければ基本的にはどんな格好でも大丈夫です。特にネイルや髪色にうるさいアルバイトは多いですが、コールセンターは自由に自分のスタイルで通勤できます。
【メリット3】時間の融通が利く
コールセンターは短時間でも長時間でも自由に選んで働けます。2時間だけの人もいれば8時間フルタイムの人もいます。
人員も多く変えがきくのでお休みを取りやすいのも働きやすいポイントです。
【メリット4】未経験でも大丈夫
研修期間にみっちり叩き込まれますので、業務知識ゼロで挑んで全く問題ないです。
【メリット5】綺麗な駅近オフィスで働ける
コールセンターのほとんどが中心部の駅近ビルに入っているので通勤もしやすいですし、清潔なオフィスで快適に仕事ができますよ!
【メリット6】人間関係は希薄なので煩わしさはない
お客様対自分の仕事なので他のアルバイトと業務で関わることはありません。(もちろん色んな人がいるので休憩中など積極的に関われば友達もできます)
煩わしい人間関係に嫌気がさした場合コールセンターがおすすめです(笑)
コールセンターの仕事のデメリット
では続いて気になるデメリット。高時給で求人が絶え間なく出続けているともしかしてブラックバイト?なんて心配になりますよね。事実コールセンターは人の入れ替わりが激しいです。
実際に働いてみた結果、これがきつかった!と思ったものを挙げてみます。
【デメリット1】覚えることが異常に多い
コールセンターの仕事を始めると、業務を始める前に必ず研修期間が設けられています。短いところで2週間程度のところから何か月もみっちり行うところも。研修自体は時給も発生する上に学校の授業の延長みたいで楽しいですが…。
- 業務に関する専門知識
- ビジネスマナーや実際に使うPC画面の見方
- 同期や先輩とのロールプレイング
などなど必要なことはこの研修期間で徹底的に叩き込まれます。
受信業務の場合、この覚えさせられる専門知識の量が異常なので覚悟して下さい。
業務中はマニュアルを見ながら対応しますし、PCのデータベースで検索できるので暗記するわけではないのですが、自分の頭の中に叩き込んでおかないとお客様の問い合わせに素早く対応することはできませんので覚えることは必須。
あまりの量に耐えかねて研修で脱落する人も必ず出ます。
【デメリット2】地獄のクレーム対応がある
業務内容によって多い少ないはありますが、受信業務の場合はほぼ100%あります。
私のいたコールセンターは娯楽サービスのカスタマーサポートだったので比較的少なくはありましたが、当たり日と言って爆切れ電話ばかりに当たる日もありました。
オペレーターの案内に不備があって怒らせてしまう場合もありますが、正直ただのストレス発散に使われているだけの場合もあります…顔が見えない分言いたいこと言ってきます。
あまりにひどい場合は上司に変わってもらえますが、基本的には自分でサンドバッグにならなきゃいけないのは辛かったです。
【デメリット3】SVに終始監視されているため自由時間はほぼない
個人的に一番きつかったのがこれです。オペレーターがPCにログインすると、SVのPCモニターには「どこの誰が何分間何をしているのか」が秒単位までしっかりと映し出されます。
通話中とか、後処理中(通話終了後に通話内容を簡潔に記録する処理)とか、離席中とか出るわけですね。
で、あまりにも電話に出てない時間が長いとSVがすっ飛んできます。
早く受信しろと圧をかけてきます。
この監視システムが一番窮屈で嫌でした。おちおちトイレにも行けねえな、と。
【デメリット4】ある程度のPCスキルは当たり前に求められる
コールセンターの仕事は電話でただ話しているだけと思われがちですが、PC操作をしながらお客様と通話をします。
通話しながらPCモニターで確認しなければならないお客様のデータもたくさんあります。なのでPC操作か電話かどちらかにしか意識が向かないとなると業務は難しいかもしれません。
逆にブラインドタッチができて無意識にPC操作ができる方にとっては特別デメリットにはならないでしょう。
【デメリット5】仕事内容は通話のみ!他の仕事がない
オペレーターの仕事はお客様との通話のみです。基本的に他の仕事はありません。そう聞くとメリットのようにも感じますが、単調な仕事って実はものすごく大変です。
なぜなら時間の経過がびっくりするくらい遅い!
ちょっと強めの電話を受けてげっそりして、「さあ1時間くらいは経ったかな?」と時計を見たらまだ10分くらいしか経過していない!!っていうことばかりです!
やることがたくさんあると時間の経過はあっという間ですが、コールセンターの仕事は単調なので途中で飽きます。私みたいに同じことの繰り返しが苦手な方はデメリットと言えますね。
最後に
ということで今回はコールセンターの仕事についてまとめてみました。
事実としてコールセンターの仕事は時給が高い分覚えることも多く、クレームを受けるなどつらいことも多いです。慣れないうちは電話一本取るのも恐怖です。
そのため、どうしても離職率は高くなりがち。
ですがある程度場数を踏み経験値が上がってくると、いずれはどんな問い合わせにも対応できるようになるので
こんなに楽に稼げる仕事はない!
と言っている方も実際多いです。
綺麗なオフィスで手が汚れるようなことはないし、煩わしい人間関係もなく淡々と仕事をこなせばしっかり稼げるわけですから。
長く書きましたが、適性があるか否かはやってみないと分かりません。
受ける電話の内容によってもお客様のカラーは全然違うし、興味のある内容であれば業務知識を覚えることも苦ではないかもしれませんね。
迷っている方は勇気を出して一度飛び込んでみてはいかがでしょうか。この記事が少しでもお役に立てたら幸いです!