エンタメ

【FF7】ティファがクラウドの「幼馴染」と紹介されるのはなぜか【考察】

この記事ではFAINAL FANTASYⅦ REMAKE及び関連作品のネタバレを含みます。FFⅦ作品全てにおいて未プレイの方はご注意願います。

本当に幼馴染だった?

早速ネタバレから入りますが、ティファとクラウドはいわゆる一般的に想像されるような「幼馴染」の関係ではありません。原作をプレイした方ならご存知の通り、幼少期2人は同郷でご近所同士ではあったけれど、一度も遊んだことがなかったという衝撃の事実が終盤で明かされます。

幼少期のティファはニブルヘイム村のアイドル的存在で人気者でしたが、クラウドはみんなの輪の中に入っていくことが苦手でいつも一人ぼっち。ティファの取り巻きの男の子達からは疎ましく思われ、仲間はずれにされていました。

寂しさを隠すように「俺はあんな子供っぽい奴らとは違う!」と自分に言い聞かせてたクラウドでしたが、ついに村のアイドル・ティファを給水塔に呼び出し、ソルジャーになる宣言をします。セフィロスのように強くなれれば、きっとティファ含めみんなにも認めてもらえる!そうクラウドは考えたのです。

そして「ソルジャー宣言」をしたクラウドに対し、ティファは「ソルジャーになって、私がピンチの時には助けに来てね」とクラウドと約束します。

実はこれが2人の最初の会話で、最初の共通の思い出です。クラウドの方はティファに対して淡い恋心を抱いていたようですが、ティファはクラウドのことなんてそれまで全然眼中になかったんですね。ニブルヘイム時代はヒエラルキーの頂点がティファで最下層がクラウドです。クラスの一軍美少女が窓際の男子のことなんかいちいち気に留めないなんてまあよくあることでしょう。

しかしながらティファのキャラクター紹介では「クラウドの幼馴染」というキーワードが付いていること多く、原作ではティファ本人も幼馴染であることを自ら言ったりクラウドのことをよく知っているキャラとして物語が進行していきます。2周目プレイ以降だと「いや幼馴染じゃなかったでしょ」とティファの発言に違和感を覚えるのも事実。

なぜティファは「クラウドの幼馴染」として紹介されるのでしょうか。また、なぜ本人も真実が明かされるまでは「クラウドの幼馴染」と思い込んでしまっていたのでしょうか。

まず、そもそも「幼馴染」とは何なのでしょう。

幼馴染の意味を調べてみると、

幼い頃から仲が良い人、あるいは物心ついたときからの顔馴染みなどを意味する表現。

引用元⇒weblio辞書

子供のころに親しくしていたこと。また、その人。

引用元⇒goo辞書

やはり、幼い頃に仲が良かった、という点が幼馴染である大事なポイントなのでしょうか。
クラウドとティファは給水塔の思い出以外で遊んだことはない間柄でしたから、幼馴染というには少々無理があるかもしれません。

では、クラウドと全然遊んだことがなかったはずなのに大人になったティファが「クラウドの幼馴染だった」と思い込んでいたのはなぜなのか考察していきたいと思います。

給水塔の思い出が美し過ぎた


残念ながらティファの過去や経緯は原作・リメイク共にあまり語られないので推測の域を出ないのですが、ティファの中ではクラウドと給水塔で交した約束はとてもインパクトがあったのではないでしょうか。

この約束をきっかけにティファはクラウドを意識するようになり、村を出て行ってからも新聞を読んでクラウドが活躍していないかチェックするようになりました。

「ね、約束しない?」
「あのね、クラウドが有名になって その時、私が困ってたら……」
「クラウド、私を助けに来てね」

「私がピンチのときに ヒーローがあらわれて助けてくれるの」
「一度くらいは経験したいじゃない?」

この約束の内容から察するに、ティファには「守られたい願望」があるように感じます。更には作中でも「クラウド助けて!」とクラウドに助けを求めたり「大丈夫って言って?」などまず先にクラウドを頼ることがとても多く、クラウド(自分を守ってくれる人)を心のより所にしている印象を受けます。わりと自分一人で解決しようとするエアリスとの対比なのでしょうか。

頼りになる人がいることで安心感を得るタイプのティファにとって、給水塔の約束はよほど嬉しかっただろうし印象に残ったのだと考えます。幼い頃なら大人になった今よりもっと精神的に幼いし、お姫様願望は更に強かったとも推測できます。

そんな中ニブルヘイム事件が起き、ティファは天涯孤独の身になります。ミッドガルに流れ着き、スラムではBARを経営し住民からも大人気なティファではありますが、そうは言ってもまだ20歳。まだまだ地元や友達、親が恋しくなる年頃です。でも、1人でやっていかなければならない。アバランチのメンバーはいますが、幼い頃の自分を知る人間が誰もいないという辛さは酷なもの。

そんな時、ついにソルジャーとなった(実際にはなってませんでしたが)クラウドと再会します。

ティファの喜びが爆発したのは想像に固くありません。故郷もなくなりたったひとりぼっちになっていたティファの前に、同郷の人間が現れたのです。しかも、それはかつて自分を守ってくれると約束したヒーローなんです。

それによって美しかった約束の記憶はさらに強く美化され、逆に約束以降の全然仲良くなかった記憶は薄れた。だからクラウドの真実が明かされるまではティファ自身も

「クラウドとは昔から仲の良い幼馴染だった」

という存在しない過去を無意識のうちに自分の中に生み出してしまったのかもしれません。

先にも述べましたが、ティファは故郷を失ってから現在にいたるまでの背景が作中でほとんど描かれないので「その間何を思っていたのか」を考察することが非常に困難です。どうやってバレット達と知り合いアバランチに入ったのかとか(BARの客としてアバランチがきて意気投合とか?)、クラウドのこと約束交わしてからずっと好きだったのか?とか疑問が多いんですね。

約束後からクラウドを意識し始めそれからずっとクラウドを想っていたというのなら、なぜ好きな人がいるかもしれない神羅にテロをしかけようとしたのか謎です。神羅憎しで好きな人よりも復讐心が勝っていたということなのか、再会するまでクラウドのことは忘れていたのか…(長年音信不通でそもそも生きてるかどうかも分からないですし)。

個人的には、女一人で生きていく為にクラウドのことはしばらく忘れて(というか死んでるかもなので期待せず)生活していたところ、駅前で倒れているクラウドと再会して気持ちが爆発しちゃったのかなあと思っています。リメイクでも結局この辺りは深掘りされなかったのでいまだ謎のまま……正直水増しクエストで無理矢理ゲームボリュームUPさせるくらいならティファの過去もう少し描いてほしかったなあリメイク。

なんかティファって見た目にばかり気合い入れられてて(作品出るたび顔が違う)それ以外は実にペラペラって印象です。ヒロインの一人なはずなのにかわいそうティファ……。

………なんか話がそれましたね。次行きましょう。

ネタバレ防止

もう1つは穿った見方ですが、

単純にクラウドの真実をネタバレしてしまう可能性があるから「幼馴染」と紹介せざるを得ないのでは?とも考えられます。

序盤、元ソルジャークラス1stとして登場したクラウドが、後半で実はソルジャーの夢に敗れたただの一般兵だった

という衝撃の事実が明かされます。まさか主人公が夢見て田舎を飛び出したもののそれは叶わず、挫折を経験してしかもそれを恥じるあまり疑似人格を形成していた!なんて展開を誰が想像したでしょう。初めてこの事実を知った時の驚きは凄まじいものでした。

プレイヤーは物語中盤までクラウドが元ソルジャーであることに疑う余地もなかったはずです。まさかまさかの展開でした。

この盛大な種明かしは物語の後半で明かす為、それまでプレイヤーにはミスリードを誘っておく必要があります。その要素の1つが「幼馴染のティファ」なのでしょう。幼少期に仲が良く、かつクラウドことをよく知っているであろうティファと給水塔でソルジャーになる宣言と約束を交わしていたというシーンをプレイヤーに見せることで、

「なるほど、クラウドは子供の頃の夢を叶えてソルジャーになったんだ」

とプレイヤーに思い込ませることができます。この刷り込みを成功させる為に、ティファは真実が明らかになるまで「クラウドのことをよく知る人物」でなければならなかったのです。
要するに、クラウドとティファは過去の記憶を共有していると我々プレイヤーに思わせることが大事だったんですね。

リメイクの修正点

しかし、当時ネタバレ防止の為に必要な幼馴染設定ではあったものの、原作発売から20年以上たった今では「クラウドがソルジャーではなかった」という事実は、それこそエアリスが途中退場する事実と同じくらいすでに知っている人が多いです。

リメイクから入った新規ファンの方ならともかく、原作をプレイした者からすると特別な新鮮さはもうありません。や、ネタバレもなにも…笑って感じです。

実は幼馴染と呼べる関係ではなかったことを知ってから原作を再プレイすると、ティファの行動や言動には違和感を覚えます。

今まで一度も話したことのない相手にどうして突然「ピンチの時は助けに来てね!」なんて約束をさせたのか…本当にめちゃくちゃ仲良しな関係だったらときめくようなシーンですが、実際はほぼ他人です。そこまで仲良くもない相手から夜に呼び出されること自体「ぶっちゃけちょっと怖…」って思うのに自ら約束まで持ち出す急展開です。前述の通り守られたいお姫様願望が人一倍強かったとしか思えません。

そんなプレイヤーの違和感をなくすために、リメイクではいくつか修正が入るようになりました。

幼馴染でなく、同郷の友達


原作では積極的に「幼馴染」と発言していたティファですが、リメイクでは自分で「クラウドの幼馴染」と言うことはなく、「同郷の友達」と幼馴染よりも曖昧な表現を使っています。

幼馴染と言うのはクラウドの過去を知らないアバランチのメンバーくらいでティファ自身はその言葉を使いません。
ネタバレを知ったプレイヤーからは「幼馴染詐欺!」と言われてしまった過去を踏まえて、当人はあえて幼馴染という表現を避けているように感じました。

ティファが声掛けしていた設定を追加

先に述べましたが、幼少期のクラウドくんには友達がいませんでした。自分から声はかけられないけど本当は一緒に遊びたくてティファ達の周りをウロウロしていたものの、取り巻きの男の子達から疎ましく思われ結果仲間はずれに合うという主人公の過去としては救いようのない悲惨っぷりを見せつけています。

原作では中心人物であるティファが仲間はずれを止めさせるようなシーンは特になかったので、見方によれば「ティファもクラウドの仲間はずれに加担している」ようにも見えてしまっていました。

言ってもまだ子供なので、ティファもハブに加担していたというよりは常に自分の周囲に人が集まってきていたがゆえに枠の外にいる子(クラウド)のことまで気が回らなかったのかあと私は思うのですが…。あとはお母さんが亡くなってすぐだったので精神的に余裕がなかったとかも考えられます。

そういったマイナスイメージを抱かせないために、リメイクではティファ自らクラウドに対し積極的に声を掛けて遊びに誘っていたものの、実はクラウドの方がティファ(達)を無視していたという設定に変更されました。

これによってティファは以前からクラウドのことを気にかけていたことになり、「少なからず以前から接点はある」ということで給水塔の約束の「あまりの唐突さ」が緩和されたように感じました。また、「ティファも仲間はずれに加担していた?」という見え方も払拭されましたね。

しかし、今回の追加シーンだけではクラウドの反応が見えなかったので今度は「ティファのイメージを悪くしないために逆にクラウドが悪者扱いを受けている」と見えるようにもなってしまい一部のファンからは不満の声が上がっているのも事実です。

きっと後半にあるクラウドの精神世界に入るイベントでこの辺は深堀されるはずなのでさらに修正を重ねられるとは思いますが…。

まとめ

ティファが幼い頃からクラウドの幼馴染であると思い込んでいた理由をまとめてみると、

  1. 給水塔の約束が鮮烈で、それ以前の記憶が薄れてしまい真実に触れるまで記憶違いを起こしていた
  2. ネタバレ防止のために「幼馴染」設定が必要だった

の2つが考えられます。個人的にはメタ的思考ですが後者が濃厚かなと…。

「幼馴染」はプレイヤーをミスリードに誘うためには致し方ない表現方法なのでしょう。原作だとネタバレを知ってからでは不自然に感じてしまう場面がありますが、リメイクでは最終的に「実は幼馴染の関係ではなかった」と明かされてもそこまで違和感を覚えない程度には修正を入れてきています。

今後もそれは続くと推測できます。しかしながら修正し過ぎて「原作と全然違うな」とだけはなって欲しくありません…。

実際ティファの幼馴染と聞いて一番しっくりくるのはニブルヘイムのよろず屋の息子だったりしますし。この子もティファのことが好きで、ミッドガルへ移住した後もティファに手紙を送っていました。ミッドガルでは就職先が見つからず、実家のよろず屋継げばよかったなあなんて愚痴ってた彼はリメイクで描かれるのでしょうか。

まだまだリメイク続編発売までは時間があるので、今後どうなっていくのか期待して待ちましょう!

 

© 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:©1997 YOSHITAKA AMANO