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この記事ではFAINAL FANTASYⅦ REMAKE及び関連作品のネタバレを含みます。FFⅦ作品全てにおいて未プレイの方はご注意願います。
まず大前提として、FF7は好感度システムを搭載しているのでクラウドの気持ちはプレイヤー次第です。エアリスが喜ぶ選択肢を選べばエアリスといい感じですし、ティファならティファといい感じです。
私がエアリスルートを選んだところ普通にクラウドもエアリスに対して何かしら特別な感情を抱いているんだなと感じるところがあったのですが、一部では
クラウドがエアリスに優しくするのはジェノバ細胞の影響で、クラウドの本心ではない
という考察があがっているのを目にしました。
これについてはやや疑問が沸いたのでこの記事では「クラウドは本当にジェノバ細胞のせいでエアリスに惹かれているように見えるだけなのか」を深く追求してみようと思います。
ジェノバの擬態能力とは
そもそもジェノバの擬態能力がどういうものかというと、関連書籍にはこのように明記されています。
ジェノバは、他者の記憶や感情を読み取り、それに合わせて外見や声、言動を変化させるという「擬態能力」を持つ。かつてジェノバはこの能力を用いて古代種たちに近づき、ウィルスを植え付けて、彼らを死に至らしめていった。
擬態能力は、ジェノバ本体のみならず、その細胞を持つ者にも、不完全ながら備わっている。
引用元⇒FINAL FANTASY Ⅶ ULTIMANIA OMEGA 213ページ
簡単に言うと「擬態=他のものに姿や形を似せる能力」ですね。
例えば捕食者である昆虫は獲物に近づく時に相手に気付かれぬよう周囲の植物に姿を似せたり地面と同じ模様の姿を取ります。
ジェノバ細胞の擬態能力も基本は同じこと。対象者の近しい人物に姿や形、さらには声までも変化させることで相手に接近し、死に至らしめます。
さらにこのジェノバ細胞ですが、埋め込まれた人間は身体能力が飛躍的に向上します。
それによって生まれたのが神羅の改造兵士である「ソルジャー」なんですね。
ソルジャーになる為には健康な体以外に、ジェノバ細胞の影響に耐えられる強靭な精神力を必要とします。精神が弱い者はこのジェノバ細胞の影響に耐えられず、心を支配されてしまいます。
なので心が脆かったクラウドは「ジェノバ細胞の耐性なし」とみなされ一般兵に甘んじていました。耐性がないにも関わらずニブルヘイム事件以降ジェノバ細胞を埋め込まれてしまったが為に彼は魔晄中毒に陥ってしまったんですね。
ティファと再会したことでクラウドのジェノバ細胞が動き出す
ザックスと別れ、一人ミッドガルに流れついたクラウドは七番街でティファと再会します。この時は絶賛魔晄中毒なのですが、
大見栄切ってニブルヘイムを出て行ったのに、実はソルジャーになれなかったという現実
をティファに知られたくなかったが故に、そして自分自身もその現実を受け入れたくなかったのでしょう。クラウドの中のジェノバ細胞が親友だったザックスから聞いた話と自分が理想とするクールな性格、そしてティファの記憶の中のクラウド像を混ぜ合わせて
僕の考えた最強のソルジャーを作り出し、演じ始めます。
ここで重要なことは、クラウドはあくまでザックスの設定を借りているに過ぎない、ということです。
ジェノバ細胞が他者の記憶や感情を読み取る~という設定からややこしく感じてしまいますが、これはザックスをまるまるコピーしてザックスの感情ごとクラウドに貼り付けているという意味ではありません。拝借した設定をあたかも自分のものだと思い込まされているだけなのです。
ジェノバ細胞の影響を受けているとはいっても、ここにいるのは間違いなくクラウド自身。ザックスではないのです。
自身をソルジャーだと思い込んだクラウドがエアリスと出会う
魔晄炉爆破ミッションを終えた足で、クラウドはエアリスと出会います。一度はここで別れますが、その後プレートから落下した先の教会でエアリスと再会を果たします。
エアリスと言えば、クラウドが設定を拝借しているザックスに淡い恋心を抱いていました。エアリスとザックス、そしてクラウドの関係がどのようなものだったかについては別記事で詳しくまとめています。
よろしければ合わせてどうぞ。
エアリスは「クラウドがザックスに似ている」ことから興味を持ち始めます。初めは似ていることから気になりますが、次第にクラウド本人に惹かれていきます。
クラウドにはじめて会ったとき、ザックスに似てるなって思った。ちょっとした仕草や、言葉づかいまで……優しいところも。でも、クラウドはクラウドだよね。私、今はきっと、ザックスよりもずっとクラウドのことが好きになってる。
引用元⇒ファイナルファンタジーⅦ解体真書159ページ
この一文は別の記事でも引用していますが、大事なことなのでもう一度引用します。FF7本編においてエアリスが惹かれているのはクラウドです。
このまま続けると「え?エアリスってザックスからクラウドに乗り換えたの?」と一旦思われそうですがそれについては上記のリンク先の記事で詳しく書いていますのでここでは割愛します。
次第に縮まる2人の距離
エアリスとクラウドは知り合って間もないですが、その距離はすぐに縮まっていきます。
とは言ってもクラウドの気持ちはプレイヤー次第なので明確にこうだ!というものは公式から発表されていません。
しかし、エアリスの喜ぶ選択肢を辿っていくと「あれ?クラウドってエアリスのこと好きなのかな?」と思われる描写がいくつか存在します。
FF7は選択肢次第で自分の好きな方のヒロインと仲良くできますから、エアリスルートを進んでいればエアリスに好意的なクラウドが見られるのは普通の話ですね。
その逆、ティファルートを選んでいればティファに好意的なクラウドが存在しているはずです。
ですが、この「エアリスに好意的なクラウド」をクラウドの意思ではないと唱える説が存在します。じゃあ一体誰の意思なのよ?というところで事項に移ります。
クラウドがエアリスに好意的なのはザックスの影響なのか
はい、ようやく本題です。前置きが長過ぎました。ここでようやく
クラウドがエアリスを好きっぽく見える態度はジェノバ細胞の影響によるもの
という考察に対し深く考えてみたいと思います。
そもそもこの考え方がどういうものなのかざっくり説明すると、
クラウドはジェノバ細胞の擬態能力によりザックスの記憶と感情を有している。ザックスが好きだったのはエアリス。だからエアリスを前にするとザックスの感情が現れ、エアリスに優しく接しているように見える。
というもの。だから、クラウド「本人」がエアリスを好きなことは本編上まずあり得ない、という考え方ですね。
FF7はヒロインが2人いるので正妻論争が絶えません。
個人的にはエアリスもティファも魅力的な女性だし、どちらがクラウドのヒロインであって良いと思うのですが、「クラウドが好きなのは幼い頃からティファのみ。昔からティファに一途!」という声をあげている一部の方がこの考え方を推しているようです。
確かにクラウドがエアリスに惹かれていると一途がまかり通らなくなりますからね。
しかし、この考え方には色々と矛盾が生じます。一つずつ詳しく見ていきましょう。
「クラウド→エアリスがジェノバ細胞によるもの」説は有り得る?
大前提として、ジェノバの擬態能力に他者の感情を取り込むという設定は存在していません。
ジェノバの擬態能力がどのようなものかは最初に説明した通りです。相手に近づきやすくする為に自分の姿や声を変えて最終的には獲物を「滅ぼす」為の能力なのです。
ゲーム中に、エアリスの母イファルナのこのような台詞があります。
「その者(ジェノバ)は親し気な顔でセトラたちに近づき…あざむき…そして……ウィルスを…ウィルスを与えたのです。」
「ウィルスに侵されたセトラたちは心を失い……そしてモンスターと化しました」
対象となったセトラの家族や友人などに擬態したジェノバが、対象者の記憶の中の家族そのもののように振る舞って近づいてきた、という内容です。
「擬態した人物の感情まで取り込む」ことには言及していないので、クラウドがザックスを模したのはあくまで外側の設定のみということになります。
そもそも「擬態した人物の感情まで取り込んでしまう」なんて能力としては非常にリスキーなのではないでしょうか。
ジェノバは相手を油断させる為に対象者の「親しい人物」に擬態するのです。最終目的は対象者を消すことです。
例えば対象者の恋人に擬態し、姿や形、声や喋り方までそっくりにするまではいいでしょう。しかし、その恋人の感情まで取り込んでしまったらどうでしょうか。
擬態したジェノバは、「対象者を愛している」ことになってしまいます。それでは相手を滅ぼすことなんてできるはずがありません。
以上のことから、「ジェノバの擬態能力によりザックスを模したクラウドが彼の感情までも有している」ことはないと言えるでしょう。
なぜならそれはもはやクラウドではなくザックスそのものになってしまうからです。
【矛盾点1】クラウドの塩対応
リメイクのクラウドは、エアリスに対し出会いたては結構な塩対応ぶりです。心を開いていません。エアリスが花を勧めてきたら「面倒だな…」とさえ言ってしまう始末。
しかし、エアリスの性格も相まって2人の距離は徐々に縮まっていくのですが。
もしクラウドがザックスの感情を持っているのだとしたら、なぜ塩対応などしたのか
という疑問が沸きます。エアリスはザックスのことを初恋の人と思っていますが、ザックスがエアリスをどう思っていたのかは分かりません。
しかしアルティマニア内の小説に「エアリスは出会った女の子の中でもダントツだった」や派生作品のクライシスコアではほぼほぼ付き合っているレベルの親密ぶりなので、大切な女の子であったことは間違いないでしょう。
クライシスコアで判明しますが、ザックスはエアリスに逢いに行く為に危険を顧みずミッドガルを目指し、その道中何百という追っ手に囲まれ命を落としました。逢いたかったけど結果として逢うことはできなかったのです。
クラウドの中にザックスがいるなら、八番街でエアリスと出会った瞬間感情が溢れ出してもおかしくありません。
なのになぜ塩対応に始まり、ゆっくり心を開いていったのか。
それは目の前にいる男はまぎれもなくクラウドそのものだからです。エアリスのことを美人局と勘違いしてしまった精神年齢16歳のクラウド・ストライフなのです。
【矛盾点2】自我を取り戻した後もクラウドはエアリスを覚えている
もし仮にクラウドがザックスの感情を持っていて、エアリスに接する時だけは無意識にザックスの感情が出てしまうのだとしたら、
自我を取り戻した瞬間エアリスのことを忘れてしまうのではないでしょうか。
忘れてしまう、というよりは「ザックスとして出会っている」テイになるのでそもそもエアリスのことなど本当のクラウドは知らないということになってしまいます。
エアリスの前ではザックス(ジェノバ)として接している以上クラウド本人がエアリスと接しているわけでないので、
自我を取り戻したクラウドは旅の途中のエアリスという人物の記憶だけまるっと無いことになります。
ホーリーを発動しようとしてくれたのは、一体誰だ?仲間の言う「エアリス」って人のことを自分は知らない…そういうことになってしまいませんか?
ですがクラウドは自我を取り戻した後もエアリスの想いを解き放つ為に「後は俺が何とかする」と言ったり、「約束の地に行けばそこで(エアリスに)会えると思う」と言っているところを見るとエアリスのことはしっかり覚えていますよね。
彼がこう言えるのは前半クラウドがジェノバ細胞の影響を受けていても感情そのものは「クラウド自身のものだったから」に他ならないのです。
最後に
ということでこの記事では「クラウドがエアリスに惹かれているように見える描写は本当にジェノバ細胞の影響によるものなのか」について考察しました。まとめると、
ジェノバ細胞が擬態した相手の感情まで取り込んでしまうという記述はゲーム内にも関連書籍にもないので、感情自体は紛れもなくクラウド自身のもの。ザックスは関係ない。
と、考えられるのではないでしょうか。クラウドがザックスの感情を取り込んでいると仮定するとストーリー内に様々な矛盾が生じてしまいますからね。
FF7は好感度システムを搭載しているので、「クラウドとエアリス」「クラウドとティファ」どちらの組み合わせも存在して然るべきなのですが、派生作品以降は「クラウドとティファ」「ザックスとエアリス」で綺麗にまとめましょう感が否めないので今後のリメイク続編でどうなることやら?という感じです。
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