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この記事ではFAINAL FANTASYⅦ REMAKE及び関連作品のネタバレを含みます。FFⅦ作品全てにおいて未プレイの方はご注意願います。
チャプター12の終盤にて、エアリスはマリンを無事に解放する代わりとして、ツォンと共に自ら神羅ビルへ向かいました。
マリンの無事も確認したところで、さあ!ここで一気にエアリス救出だ!神羅ビルに乗り込むぞ!という原作と同じ展開かと思いきや…
…あれ?
あれれ?
……。
そうでもない。
どうして仲間が危険にさらされているかもしれないのに、クラウド以外の2人はすぐ助けに行こうとしなかったんでしょう。
原作がすぐ助けに行く展開だったのもあってこの流れ、初見時はかなり疑問に思いました。
ことを荒立てて欲しくないエルミナ
まずそもそも、エアリスの母エルミナがエアリスの救出に難色を示していました。
タークスがエアリスの居場所を知っているにも関わらずこれまで誘拐しなかったのは、エアリスの自発的な協力が必要だったから。
だからエルミナは、エアリスが神羅ビルに連れて行かれた今回も丁重にお客として扱ってくれるかもしれないと考えていたのです。
用が済んだら、すぐに帰してくれるだろうと。
逆にクラウドたちが乗り込むことで事が荒立ち、エアリスの身に何か起きてしまうかもしれないことを不安がっているんですね。
エルミナはエアリス絡みでタークスの人間を知ってはいましたが、実際神羅という組織がどういうところなのかまでは深く把握していないと察します。
救出を急ぐクラウド
神羅の実情を知っているクラウドはエアリスの救出を急ぎますが、エルミナの気持ちを汲み取ったティファがクラウドを制します。
「お母さんの言う通り、用が済めば帰ってくるかもしれない」
いやいやティファ!それはちょっと楽観的過ぎるのでは?神羅の裏の顔を知らないエルミナがことを荒立てたくないから止めてくれと思う気持ちは分かります。
しかし、今しがた七番街プレートを落下させスラムを壊滅させた組織は紛れもなくエアリスの捕まっている神羅です。目的のためなら手段は選ばない連中であることを身をもって体感しているはず。
それなのに「用が済んだら帰ってくるかも」なんてあまりにお気楽なのでは?
どうしてここにきて、敵地にいるエアリスの身の安全が保証されていること前提で話を進められたのか。
更にバレットも、やることが色々あるからまずは七番街スラムに戻らないか?と提案します。
やることも何も、アナタの娘を守る為に捕まったエアリスの救出以外に何を優先するんだ?って感じなんですが…娘無事なら後はどうでもいいんかい。
サラッと会話を見ていると他のメンバーがエアリスに対して薄情に見えてしまいます。なぜバレットとティファはこのような発言をしたのか私なりにもう少し深く考えてみました。
バレットはマリン最優先
エアリスはマリンの命の恩人ではありますが、この時はまだバレットとエアリスは出会っていません。
プレート支柱のモニターに映し出されたエアリスを見ただけです。
バレットもアバランチとして活動している以上神羅の危険性は知っているだろうし、エアリスに対して娘を助けてくれた感謝の気持ちはあれど、まだよく知らない人物の救出はバレットにとって優先順位が低くなってしまったのかもしれません。
バレットにとって何よりもまず先に、とにかくマリンの安否が心配だったのは明白です。
その次は、七番街スラムや仲間のことが気にかかった。自分達の行いによって仲間のジェシーを始め、スラムの住人など多くの人間が亡くなっているかもしれないとすればこちらも気がかりでしょう。
そして何よりも、自分と同じ親の立場であるエルミナ自身が娘エアリスの救出をやめて欲しいと言ったのです。
子供を大切に思う気持ちはこの中で一番バレットが理解してあげられるはず。母親がやめてくれと言っているのだから、それ以上踏み込むことはできない。
バレットはそう考えてクラウドほどエアリス救出を優先しなかったのではないでしょうか。
自責の念に駆られていたティファ
今作でティファとエアリスは仲良しで良好な関係であることが強く描かれていました。エアリスが信頼できる人間だったからこそマリンのことを彼女に託したのだと思います。
しかしティファもまたエアリスと行動を一緒にした期間は限りなく短く、エアリスの人柄から信頼はできたのかもしれませんがエアリスの素性までは詳しく知らなかったのではないでしょうか。
ティファにとってエアリスはクラウドと一緒に自分を助けにやってきた普通の女の子なのです。エアリスが古代種(セトラ)の生き残りであることをティファが知ったのはエルミナの話を聞いてからです。
そもそもティファは古代種が何であるかをよく知りません。
クラウドはこの中で一番長くエアリスと接しており、エアリスがタークスに監視されていることも知っていました。しかしティファはそれも知りません。
「古代種の生き残りで日頃からタークスに監視されているエアリスが神羅に捕まったということがどれだけ危険なことか」というクラウドの焦燥感をティファが感じ取ることは不可能です。
友達の女の子が神羅に捕まってしまった。神羅の実情は知ってるし助けに行きたいけど、自分よりもエアリスを知っているであろう母親のエルミナが「エアリスはこれまでも神羅と接触したが何もなかった」と言っているのだから、それを受け入れる以外の選択肢がティファにはなかったのではないでしょうか。
場を空気を考えても、まずはクラウドを一旦落ち着かせる為にエルミナの考えを汲み取った、とも推測できます。
加えて、ティファは七番街プレート落下によって再び大切なものを失いました。七番街スラムの惨状は自分たちのせいだとティファは自責の念に囚われています。
今作のティファはアバランチの活動には消極的であり、一般市民を巻き込んでしまう爆破作戦には乗り気ではなく思想も揺れていました。
それでも、テロ行為自体を否定することはできず、その結果が仲間と多くの一般市民の死。家もお店も失ってしまいました。
この時のティファの心情を考えれば、後悔と絶望に打ちひしがれていることは想像に固くありません。 彼女自身考えることがあり過ぎていっぱいいっぱいだったのでしょう。
こんな状態でエアリスの救出を最優先しろ!家を失ったのは自分たちのせいなんだからクラウドに泣きつくなんてどうかしてる!と言うのはかなり厳しい意見だなあと個人的には思います。
確かに正論ではありますが、それでも今まで気丈に振舞っていた分クラウドと2人になった時感情が溢れてしまったのかなあ?なんて思えてしまうんですよね。
ティファだってまだ20歳の若い女性ですし、彼女はもともとエアリスのようにメンタル最強キャラではないですし。リメイクでは欠点のないヒロインとして描かれがちですが、原作ではどちらかというと心が弱くて自分のことで精いっぱいになるところもありました。
それらを考慮すれば、エアリス救出の優先順位が低くなったのも仕方のないことだったのかもしれません。
まとめ
最後にまとめると、エアリスが神羅に行ってしまったことを知った時まず救出を最優先で考えることのできたクラウドに対し、この時のティファとバレットには他にも考えなければいけない「大切なもの」がたくさんあった、ということでしょうか。
娘のこと、失った仲間のこと、崩壊したスラムやその住民のことなどなど…加えてエルミナの懇願もあり、一度引き下がったのだと推測します。
しかしながらスラムを探索の途中で辿り着いた神羅の地下実験場では人体実験の後を見つけ、神羅の裏の顔を目の当たりにしてしまったことで危機感が増し、バレットとティファも「エアリス救出を急がなければ!」となったのかな?と一連の流れを見て感じました。
ただ、この記事を書くにあたって何度かこの辺りのチャプターをやり直したんですけど、
エアリスもすでに相当緊迫した状況下に置かれているように見えるんですよね……。
だからエアリスが神羅に捕まってしまったのにどうしてクラウドを制してまですぐ助けに行かないの!?という気持ちもよく分かります。
私も初見はそう思いました。展開的にはマリンの安否を確認し終えたら即神羅ビルに乗り込もう!の方がいい流れですし。
しかし、バレットにもティファにも優先すべき大切なものはそれぞれあります。この状況ではクラウドよりも失ったものが圧倒的に多いんですよね。
そこを考慮すればエアリス救出が何よりも先!と思ってしまうのは少々エアリスを中心に考え過ぎだったのかもしれません。
ということでこの記事では「チャプター13にてエアリスをすぐ助けに行かなかった理由」を考えてみました。これはあくまで一個人の感想に過ぎず、別の考え方を否定するものではありません。考え方が違ったら、別意見の人とでも思って忘れて頂けると幸いです。
それでは!
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