この記事は『珈琲いかがでしょう』第3巻15話・16話のネタバレを含みます。未読の方はご注意願います。
【珈琲いかがでしょう】15話・16話をネタバレ!
ここから先は3巻の重要なネタバレがありますのでご注意下さい!
15話以前のネタバレは別記事でまとめています。
第1巻のストーリーを知りたい方はこちらの記事を。


第2巻のネタバレはこちらから。


第3巻前半のネタバレはこちらから。

[十五杯目]ぼっちゃん珈琲
タコさんの孫・マコの案内でマコの実家へと向かう青山。
タコさんの口ぶりからすでにおばあさんは他界しているものと思いきや、実はまだおばあさんは生存しており実家にいるというのです。
やっとたどり着いたぞ、たこじじい。ここまで長かったな。やっと―――そう思いながら青山がマコの家のインターホンを押そうとすると…
「ゴール 一歩手前で ふりだしに戻る――――」
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
なんと青山の背後に組の三代目・聡が現れたのでした。
「やっと見つけた 僕のとらモン」
これまで組の連中に青山を追わせ、執拗に捜しまわっていたのは実はこの少年だったのです。聡は飄々とした態度で青山に手錠をかけ、自分の家へと連れ去ります。
青山はかつて組に在籍していた頃、幼い聡のお世話係をしていました。
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン画
学校ではいじめに遭い、家でも父親に目をかけてもらえず毎日寂しい思いをしていた聡は、とても強くてみんなからの信頼も厚い青山を『とらモン』と命名して懐いていました。とらモンは聡が1人で食事をしながらよく見ていたアニメに登場する、1番強くてかっこいい主人公の相棒です。
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
一人ぼっちになるのが怖くて、愛情に飢えていた聡。青山は、そんな彼にこれからもずっとそばにいることを約束するのですが―――。
「そう言ってくれた直後だったよね。対立してた権田組の組長とうちの父さん刺し殺して、お前が姿を消したのは」
お仕置き、と称して珈琲用具で青山の頭をぶん殴る聡。「あーあ、やっぱりだめんだなあ、お前みたいに上手くできないや。ねえとらモン、お前がいなくなってから僕はもうてんでだめだよ」
聡は青山に対し、自分の目の前から姿を消したことや父親を殺されたことへの恨みだけでなく青山への異様なまでの執着を見せるのでした。
「お前がそばにいてくれないとだめなんだ。だから一緒に帰ろう僕のお城に。」そう言った聡は、青山のためにとっておきの珈琲タイムを用意したとしてとある場所に連れて行こうとします。
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
「ずっとずっとずっと ずっと待ってたのに戻ってきてくれないから。僕の方から迎えにきたんだよ。とらモンを取り戻すためならなんだってするんだあ、僕」
[十六杯目]暴力珈琲
手錠をかけられた青山が連れてこられたとある中華料理店にいたのは―――平と、そして志麻!志麻がそこにいることに血の気が引く青山。
どうやら「青山を交えて食事会でもしよう」という聡の口車に上手いことのせられてやってきた志麻ですが、相変わらずただの食事会だと思っており状況を全く理解していません(笑)
「なんのマネですか」
絶句する青山に聡は笑顔で話します。手厚くもてなしてるんだよ。最後にとっておきの珈琲を用意していて、それを使ってゲームがしたいんだ、と。
「メンバーはリサーチして僕がチョイスしたよ。お前の大切な恋人と一番の舎弟。ドラマティックな選抜だろう?」
(厳密に言えば志麻は青山の恋人ではありませんが、青山がかつて『歩く性欲魔人(笑)』と呼ばれるレベルの奔放っぷりを見せていたことから聡が勝手に恋人だと思い込んじゃったみたいです。志麻の前で恥ずかしい過去をバラされて青山はすごい汗…笑)
側近の夕張が珈琲を3つ運んできます。その1つに毒を入れる聡。なんとここで、自分と珈琲版ロシアンルーレットをやろうと言うのです。
平と志麻が参加して自分に勝てたら、青山のことは見逃してあげる。そういう理不尽なルールを突きつけてきたのですが…
青山のために臆することなく珈琲を飲む平と志麻!!
自己保身も考えないでこの女はサイコパスか?とドン引き顔でディスられる志麻でしたが、青山に今でも昔と変わらない人望があることを再認識した聡はこの展開に大喜び!
やっぱりお前は僕の相棒に相応しい!お前がいれば百万馬力だ!と。
父が亡くなり、青山がいなくなってからの聡は、それまで使うことを恥ずかしいと思っていた『権力』をかざすようになりました。
自分をなめる奴、裏切る奴には制裁の制裁の制裁。暴力を暴力で上塗り。そうすることでいじめられることもなくなり、取られっぱなしだったコーヒー牛乳だって容易く手に入るようになりましたが、青山のような人望を得ることもできませんでした。
聡は言います。飄々としてるように演出していても実は内心ではビクビク。昔の青山のように、淡々とオシャレな温度で暴力を振るいたいんだ、と。昔のお前がお手本なんだ―――と。
お前に戻ってもらう説得も兼ねて、ここらでひとつこの女の鼓膜とか破るジャブ入れとくべき?志麻の耳に箸を突き立てる聡。それにキレた青山はついに
聡をボッコボコに殴ります!
青山の手錠は、夕張が外していました。
淡々とオシャレな暴力なんてねえよそんなの。心を殺さなければやってらんなかったよあんなこと。お前は権力や暴力に頼らず自分の力で周りに勝てる武器を身につけてのし上がっていくんじゃなかったのか?青山は聡を殴り続けます。
青山がそばにいた頃の聡は、たとえいじめられて馬鹿にされても家の力を使うことは絶対にありませんでした。
当時の青山に「伝家の宝刀抜いたらいいじゃないですか。うちの父ちゃんはヤクザの組長で僕をいじめたら報復するぞって」と言われた時、「そんなダサいことするもんか!僕をなめるな!僕は自分の力でのし上がっていくって決めてるんだ!」とブチギレたのです。
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
そう言った当時の聡を「肝が座っている」、と青山も一目置いていたのですが、青山がいなくなってからはすっかり自分が1番嫌っていた「家の力」に頼る人間へと変わってしまっていたのでした。
「うるさい 黙れ ならどうしろっていうんだよ お前も分かってるだろ 僕には」
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
僕のために毒入り珈琲を飲んでくれる奴なんか1人もいない。なら、暴力で塗り固めることしか僕にはできない。
そう言った聡に、青山は静かに返します。「じゃあ聞きますけど、そのやり方で手に入れたコーヒー牛乳はおいしかったですか?」と…。
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
「誰のせいだよ!お前が裏切ったからこんなことになったんだろ!」
画像引用元⇒『珈琲いかがでしょう』第3巻より ©コナリミサト/マッグガーデン
話を遮るように夕張が「なあもういいだろう、全部話そう。本当のことを話します。三代目」そう言って、真実を話し始めます。
その真実とは――――
父親である二代目と権田組の組長を殺したのは本当は青山ではない
という事実でした。
事件があったあの日の夜、平和主義の二代目は散っていく組員たちに耐えかねて手打ちの話をするために権田組に出向いていました。
なんとか交渉自体は成立したものの、帰り際に権田組の組長が三代目である息子を馬鹿にしたことで二代目は激昂。向こうが隠し持っていたドスを奪い合ってもみ合っているうちに相打ちとなってしまったのでした。
その目撃者は、夕張と青山たった2人だけ。
死ぬ間際に二代目は「組長が実は子煩悩とかしめしがつかねえ」と言って青山たちに真実を話さぬよう口止めしていました。そして、もともと手打ちが終わったら組から解放してもらう約束だった青山に「イケてる珈琲屋になれよ」と言い残し亡くなったのです。
青山はこの事件を自分がやったことにしようと夕張に提案します。真相を権田組に知られたらまた報復合戦で抗争になり、二代目の悲願だった手打ちもおじゃんになる。そして今後は三代目も狙われてしまうから。だめだろ、それだけは―――と。
そして「けじめ」として自分の指を切り落とし、それを聡に渡すよう夕張に伝えました。
それが、あの日の真実だったのです。
青山は組と聡を守るために罪を被ったこと、そして本当は父親に愛されていたことを知った聡は「嘘だ そんな美談 くそだ」と涙を流すのでした。
まとめ
ついに!過去の真実が明かされました!
やっぱり青山は人殺しなんてしていなかったんですね……!組とその息子である聡を守るために自ら罪を被ったのでした。
愛情に飢え、青山に裏切られたと思い込み、彼を憎んで執着する聡に心が締め付けられる思いでした。この記事では聡と青山の過去はかなり省いてあらすじのみ載せています。とても切なくて泣けるのでぜひ続きをコミックスで体感してもらいたいなと思います!
こちらは新装版下巻になります。